遺言と遺留分

相続が始まった途端、それまで仲の良かった兄弟、姉妹の関係が悪くなってしまうという例はよく聞く話です。被相続人からすれば、自分の残した財産がいさかいの種になってしまうのは非常に残念なことでしょう。

また、法定相続というのは、原則として親との関係はどうであったかということと関係なく、同じ子供であれば均等に相続することになっています。

 

こういった相続の仕方に不満であれば、遺言を残すしかありません。遺言ならば相続人の相続する相続分を指定することもできますし、また誰が何を相続するかを決める相続財産の指定もすることができます。遺言は、法定相続に優先するのです。

 

しかし、遺言によっても越えることのできない壁があります。それが遺留分です。

遺言を発見したら

封筒に入っており封印してある遺言を発見したら、勝手に開封することは許されません。遺言書を発見したものは、家庭裁判所遺言書検認申立てをし、遺言書を提出しなければなりません。

そこで、相続人またはその代理人の立会いのもとに開封し、検認してもらうことになっています。

封印していない遺言書でも検認手続きは必要です。

遺言では奪われない相続分(遺留分)

前にも述べましたが、被相続人の遺言書があれば遺産は原則として遺言に従って分けることになります。

しかし、この原則に全面的に従うとなると、例えば「私の全財産を友人Aに与える」と遺言に書いてあった場合、法定相続なら財産を2分の1ずつ相続するはずの配偶者と子の相続分はゼロとなり、本来何ももらえないはずの友人が全財産を相続することになります。

これでは本来の相続人(ここでは配偶者と子)にとってはあまりに酷な話です。

 

そこで・・・!

 

法定相続人のうち、配偶者と子、孫、父母、祖父母については遺言によっても侵害できない最低限の取り分が保証されています。この取り分を「遺留分」といいます。

ただし遺留分が認められるのは、配偶者、子、孫、父母、祖父母の法定相続人のみで、兄弟姉妹には認められていません。

遺留分はいくら確保されるか

遺留分は本来相続できるはずであった法定相続分の2分の1となります。

先ほどの「友人Aに全財産を与える」というケースでは、法定相続分(2分の1)の2分の1ですから、配偶者と子には全財産の4分の1ずつが遺留分が認められ、残り2分の1が友人Aの取り分になります。

ただし、配偶者や子がおらず父母・祖父母のみが相続人のときは、遺留分は法定相続分の3分の1となります。